出版案内

著者　山崎覚子

日本初、脊髄損傷者専門トレーニング・ジム「ジェイ・ワークアウト」を創設した渡辺淳。 現代医学の常識をぶち壊した彼は、不可能を可能にし、自分に限界を作らず、いつも全力で走っていた

２００６年、世界唯一の脊髄損傷回復施設（カルフォルニア州サンディエゴ）で、外国人初の日本人トレーナーが誕生した。彼の名は渡辺淳。夢は「日本に脊髄損傷回復施設を作る」こと。アメリカ人にも認められトップ・トレーナーとなった彼は、最新技術を持って２００７年に帰国するが、日本には脊髄損傷の当たり前とされていた常識という壁が待っていた。
設立から３年。ジムはメディアに多く取り上げられ、順風満帆に進み出していた。その矢先、彼は出場したマラソン大会中に突然倒れ、帰らぬ人となる。 クライアントから絶大な支持を集め、他のトレーナーから尊敬され、カリスマ性を持った人。人々を惹きつける彼の魅力とは何だったのか。関係者の取材、生前収録した未公開インタビューと共に２９年の歳月を追った。

本書は伝記だけではない。動かない脚を一歩前に出す。
一歩のために、人生を懸けている人たちの実話でもある。

１９６４年生まれ、千葉県出身。
病気が原因で車いすユーザーとなる。「一生車いす生活」と医師から宣告されながらも再歩行を諦めず、トレーニング・ジムに通っている。ドラマ『車イスで僕は空を飛ぶ』、映画『私の人生なのに』で出演者に車いす指導を行う。